冷凍庫

記憶に残った1日を記録に。新鮮保存、永遠に。

母の正しい愛し方

【 土下座 】 : 土の上に直に座り、平伏して礼を行う事 私の親は、子供の幸せを願っていると吐いた口で、私に一生解けない呪いをかける人達だった。 中学生の頃から私は自分を殺して生きてきた。誰の機嫌も損ねぬよう、誰の反感も買わぬよう、ただ透明で在り…

だから私は女を辞めた

時々私のお店にはご飯が目的じゃないお客様がいらっしゃる。 私の性別は女だ。身長も低く、喉の骨が見えるぐらいは痩せている。マスクは普通サイズでは大きく感じるし、ダボっとした服を着るならMサイズで十分な本当に普通の女性。駅で5秒見渡すだけでも今の…

眠れない私

東野圭吾の 『 人魚の眠る家 』 を観た。 原作を既に読んでいたからそことの擦り合わせで終わるだろうと思っていたがそれは大いに外れた。数分前の自分に言ってやりたい。久々にお前は映画で涙を流すぞ、と。 もし私が脳死になったら? この質問は特別不思議…

「 俺ってそんなに鈍感に見えるんだ 」

2020年の七夕。天の川は今年も誰かの願いで汚れていないかと心配していた夕食時、私は父から思いもよらない話を聞かされる。 私は恐らく、この奇妙な七夕を忘れる事はないだろう。だが、人は忘れる生き物だ。忘れないと心に固く誓った約束は3年後には忘れて…